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映画「恐怖奇形人間」がDVD化されるまでの長い道のり

「恐怖奇形人間」は、日本映画史上に燦然と輝くカルト作品で、公開時から現在に至るほで、独白の存在感を発揮し続けているという希有な作品です。

すでにタイトルの時点で放送禁止を食らいそうですが、 映画の中身もせむし男や異形の者たちが蠢き、「きちがい」、「裏日本」などなど、放送コードに抵触するセリフが飛び交うため、これまでテレビ放送はおろか国内ソフト化もされてきませんでした。

東映の「異常性愛路線」の一作として企画され、奇才・石井輝男氏が監督が抜擢されたのです。
クレジットには江戸川乱歩の「パノラマ島奇談」が原作とされているが実際には別の長編である「孤島の鬼」をベースに、「屋根裏の散歩者」、「人間椅子」などの江戸川乱歩の著作がモチーフとして使われています。

公開当時はあ談り話題にならなりませんでしたが、徐々に幻の怪作として映画マニアの間で語られるようになり、各地の名画座などでは定番作として断続的に上映されてきました。

熱心なファンや、サブカル好きな若者は、こうした上映会につめかけ、その異様な世界観を堪能…
特にラストの「おかーさーん!」の絶叫とともに展開する人間花火は強烈で、この常軌を逸した光景に脳がリアクションを取れず、思わず爆笑してしまった観客は多かったといいます。

1993年には東映ビデオからソフト化の告知がなされたものの直前に中止…
そのサンプル版がコピーされ、裏ビデオとじて出回り、こちらで視聴したというファンも多かったといいます。

2007年に、アメリカのメーカーから「Horrors of Malformed Men」というタイトルでついにDVD化が実現…
画質もよく、特典映像も満載で日本からもネット通販で買い求める人が殺到しました。

そうして2017年10月…
2005年8月12日に81歳で亡くなった石井輝男監督の13回忌追悼企画として日本国内で初めてソフト化されたのです。
今もカルト映画ファンの通過儀礼的作品として多くのファンを惹き付けている作品と言えるでしょう。




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