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ナルトとサスケの「最後の戦い」の持つ意味について

少年時代、互いをライバルとして強く意識していたナルトとサスケ…
相反する性格ながらも木の葉の仲間として絆で結ばれた2人でしたが、サスケは兄であるイタチへの復讐心を募らせ、ナルトに冷たくこう言い放ちます。
「お前等木ノ葉の連中とじゃれ合うのはもう終わりだ 帰れ」と…

以降、ナルトは友達としてのサスケを取り戻すため、サスケは己の目的を成就するため、幾度となく対峙することになりました。
そんな2人の最後の対決は、72巻694話「ナルトとサスケ➀」より5話に渡って描かれています。
宿命のライバル対決とも言うべき戦いは、壮大な物語の根幹にある、2つの因縁に終止符を打つものでもありました。

そもそも、ナルトとサスケの対立構図は、初代火影である千手柱間とうちはマダラの関係とそっくりです。
柱間とマダラの過去については、穢土転生の術によって蘇った柱間の口から語られます。

少年時代に偶然出会った柱間とマダラは、一族同士の争いがない理想郷夢見ていました。
しかし、少年たちの理想は大人たちによって呆気なく絶たれてしまいます。

成長した2人は一族の長になりますが、夢を捨てきれない柱間に対し、マダラは友としての柱間を消し去るという道を選びます。
その後、千手とうちははようやく協定を結び、里という理想的なシステムを構築するに至りました。

しかし、マダラはうちは一族に対する疑いの目を強く感じており、自ら里を出て、執拗に木ノ葉を襲撃…
柱間は里を守るため、友であるマダラに手をかけるという苦渋の決断に至ったのです。




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ナルトとサスケ、柱間とマダラ…
彼らは生まれ落ちた時から、いずれ対立する運命にありました。
なぜなら、彼らは因縁の兄弟・インドラとアシュラの転生者であったからです。

忍宗の開祖である六道仙人・ハゴロモは、ナルトの精神世界で彼に対面し、自身の母カグヤと息子たちについてを語り聞かせます。
ハゴロモは神樹の実を食らった母の強大な力を受け継ぎましたが、息子たちには遺伝子が両極端に発現してしまいました。

生まれながらの天才である兄インドラと、落ちこぼれの弟アシュラ…
当然ながら、兄弟は全く違う道を歩むこととなったのです。

兄弟の生き様は、アシュラの転生者であるナルト、インドラの転生者であるサスケの生き様にそのまま投影されています。
ひたすら努力し、仲間と協力する中で、秘めたチャクラを開花させていくナルト…
他者を拒絶し、力のみを信じて渇望するサスケ…
そして、最終的に皆を導く役を与えられたのはアシュラとナルトでした。

全てを語り終えた六道仙人は、ナルトに「この戦いの果てに何を望む?」と問いかけます。
これに対し、「“仲間”がどういうもんかは知ってんよ オレはそれを守りてェ…そんだけだ」とナルト答えました。

尾獣たちまでも惹きつける不思議な魅力を持つナルトに、六道仙人は世界の行く末を、壮大な兄弟喧嘩の決着を託します。
最終決戦は相打ちという結果に終わりましたが、サスケはナルトに自分の負けを認めました。

「本当はオレがうらやましかったんだ オレには無い強さがあったから…」というサスケの心のつぶやきには、力=強さではないという意味が込められているのでしょう。
仲間がいるからこそ得られる強さ、それこそが本物の強さである…
ナルトが示した答えは、世界のあるべき姿に対する解なのかもしれません。




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