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「ワンピース」と「ガリバー旅行記」の意外な共通点とは?

現実世界の国や人物はもちろんのこと、神話やおとぎ話など、「ONE PIECE(ワンピース)」には様々な事象をモデルとした国や人物、エピソードが登場します。
このことを前提として考えれば、ラフテルにも何かモデルがあるのかもしれません。

そこで注目したいのが、アイルランドの作家ジョナサン・スウィフトによって書かれた「ガリバー旅行記」です。
正式タイトルを「船医から始まり後に複数の船の船長となったレミュエル・ガリバーによる、世界の諸僻地への旅行記四篇」とする同書は、そのタイトル通り船医ガリバーが体験した不思議なエピソードをまとめた旅行記という体裁の小説です。

全部で4編の物語から構成されていますが、作品内には「ONE PIECE」に登場する島やエピソードのモデルになったと思しきシーンが数多く描かれています。

「ガリバー旅行記」で最も有名なシーンといえば、小人の島に流れ着いたガリバーが、地面に縛り付けられて身動きが取れなくなっている場面でしょう。
これと非常によく似たシーンが「ONE PIECE」にもあります。

それが「ドンタッタ王国」に迷い込んだロビンが、地面に縫い付けられて身動きが取れなくなっているシーンです。
この時、ロビンを拘束したのはもちろん小人族でした。
この印象的な場面の描写には、「ガリバー旅行記」からの明らかな着想が見てとれます。

ガリバーが辿り着いた島の住民は、身長が普通の人間の12分の1ほどしかない小人で、体の大きさに比例して関心事も小さく、非常に正直な種族でした。

これは、体のサイズといい、性格といい、「ONE PIECE」に登場した「トンタッタ族」と非常によく似ています。
やはり、トンタッタ王国は「ガリバー旅行記」で描かれた小人の島をモデルにしていると見て間違いないでしょう。

現実世界だけでなく文学も研究材料にしていると思われる尾田先生が、“船医の航海”を題材にした「ガリバー旅行記」から着想を得ているとしても何の不思議もありません。




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第2篇でガリバーが辿り着いたのは、巨人が暮らす“ブロブディンナグ国”でした。
ここには身長約18メートルの巨人が住んでおり、ガリバーは珍しい小人として捕らえられ、巨人のペットとして扱われることになります。

巨人の島と言われて思い出すのは、ドリーとブロギーが戦いを繰り広げていた「リトルガーデン」です。
ここでルフィ達は“チビ人間”と呼ばれていたものの、ペットにされるようなことはありませんでした。

しかし、厳密に言えばリトルガーデンは巨人の島ではなく、“巨人達が戦いの場として選んだ島”であり、本当の巨人の島「エルバフ」では、ガリバーと同じようにルフィ達がペットにされるような展開もあるかもしれません。

ブロブディンナグ国でのガリバーは、基本的に箱へ閉じ込められていましたが、音楽的素養で王族を楽しませたことによって、箱を下男に運ばせることは認められていました。
音楽によって、ある程度の自由を与えられていたのです。

違う種族の国で見世物にされるというエピソードは、シャボンディ諸島から飛ばされたブルックの境遇を彷彿させます。
彼はバーソロミュー・くまによって「ナマクラ島 貧困の国ハラヘッターニャ」に飛ばされ、そこで悪魔の召喚儀式を行なっていたハラヘッターニャの人々から、悪魔王サタンと誤解されてしまいました。

さらにブルックは成り行きでハラヘッターニャの人々の願いであった「手長族」への報復に協力することになり、悪魔として崇められるようになります。
しかし、檻に閉じ込めた手長族達に情けをかけて開放したところ、ブルックは捕らえられて「剣山島テーナ・ゲーナ王国」で見世物とされてしまうのです。

この“捕らえられて見世物にされる”というエピソードは、まさに巨人の島でのガリバーを連想させます。

その後、ブルックは「ソウルキング」として人気アーティストとなり、晴れて自由の身となって、2年後に「シャボンディ諸島」でルフィ達と合流することができました。

ちなみに、岩波文庫の「ガリバー旅行記」の記述によれば、ガリバーが巨人の国を出たのは「3年目にはいってまもない頃」とされています。
ちょうどブルックが「ソウルキング」となり、」ルフィ達と合流した時期も“3年目にはいってまもない頃”だと言えます。

小人の国に続き、巨人の国でのエピソードや、見世物、音楽的素養、自由というキーワードなど、ここでも両作品には偶然とは思えぬ共通項が見つかりました。




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