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かっこいいスキヤキ…青林堂が100万を払えずに円谷プロ激怒?!

「ウルトラマンからカツアゲされた」…
そんな希有な事態を引き起こしたのが、漫画「かっこいいスキヤキ」でした。

原作を久住昌之氏、作画を泉晴紀氏が担当する「泉昌之」名義で、数々の傑作を生み出してきたコンビによる作品…
漫画「かっこいいスキヤキ」は、2人の代表作ともいえるでしょう。

独特のセンスが光る「かっこいいスキヤキ」の中でも、とりわけ評判がよかったのがウルトラマンを扱ったパートでした。
なんと、四畳半のボロアパートで暮らすウルトラマンの日常生活を描いていたのです。

これがうけて「かっこいいスキャキ」のコミックスは、1983年の発売以降、足かけ3年で10万部近く売れていたといいます。
出版社の「青林堂」は漫画出版社の草分け的存在でガロ系とも称される漫画作家を輩出したことでも知られていました。

とは言え、この時代、青林堂の漫画誌「ガロ」の実売は3000部…
そんなドマイナー誌ならば関係者に気づかれることもないのでしょうが、さすがに10万部も売れれば、円谷プロの目に止まります。
無許可で勝手にキャラクターを使っていた以上、正義はウルトラマンにありました。

10万部売れているとすれば、著者印税はおよそ1000万円…
そこで円谷プロは「許諾料」として100万円を青林堂に要求したのです。

この程度の金額であれば、正当な「カツアゲ」=「著作権使用料請求」だと感じてしまいます…
しかし、そこは水木しげるに「貧乏神」と言わしめた青林堂が相手。

蓋を開けてみれば「かっこいいスキヤキ」に関する原稿料は雑誌の現物支給、印税はページ換算で「3万円」というひどい有様だったのです。
つまり100万円など支払える訳がないというのです。

これに円谷プロは激怒…
「今後一切、載せるな」と脅し、青林堂も「著者も金を払うぐらいなら喜んで載せませんよ」と返答して騒動は終息したのです。
こうして「かっこいいスキヤキ」はウルトラマンのパートのみがお蔵入りとなりました。

1986年といえば、円谷プロは経営破綻寸前で苦しんでいた時期…
こういう事情もあって、藁にもすがる思いで現金を回収にいったようですが、その相手が「貧乏神」ではどうしようもなかったのでしょう。




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