フジテレビ系で放送された木村拓哉(当時31歳)さん主演の月9ドラマ「プライド」(2004年)…
このドラマ収録現場のスケートリンクで、休憩時間に「木村拓哉」さんが客席に向けて打ったアイスホッケーのパックがエキストラとして撮影に参加していた女性ファンの顔に当たって大騒ぎになるという事故がありました。
2004年1月20日…
横浜市内のスケートリンクでは「プライド」の収録が行われていました。
ドラマは実業団のアイスホッケーチームに題材をとった青春もので、主演の木村さんの他に、竹内結子さん、坂口憲二さん、佐藤浩市さんなどの豪華な共演陣も話題となり、人気番組となっていたのです。
また、現場には若い女性を中心としたエキストラが約1400人も集まっていました。
午後3時ごろ、ドラマの収録が一息つき、休憩時間に入ります…
木村さんはそのままリンクでパックをスティックで打って、跳ね上げる練習をしていたのですが、そこにエキストラとして参加した観客席のファンから「こっちに打ち込んで」という声がかかります。
木村さんはその声に応えて手で投げて観客席にパックを放りました。
それを観客のひとりがキャッチし、木村さんとキャッチボールが始まったのです。
パックのやりとりをするたびに歓声が上がりました。
そのうち木村さんもノッてきたのか、手で投げるのではなく、スティックで観客席に打ち込むようになったのです。
何度かやりとりが続くうち、現場は今までの歓声ではなく、悲鳴に似た声で騒然となりました。
見ると観客席の一角で20代の女性が血まみれになった顔を押さえてうずくまっていたのです。
最後に打ったパックがこの女性の顔を直撃していたのです。
それを知った木村さんも事の重大さに気付いて真っ青…
日ごろのクールな表情は完全に消えていたと当時現場いた関係者は語っていました。
そうして、すぐに女性は車で病院に運ばれたのです。
パックは硬質ゴム製で重さが約160グラム…
約140グラムの野球の硬球よりも重く、過去にはアメリ カで試合観戦中の観客の死亡事故も起きています。
選手も当たったパックで大ケガをすることはザラで、ホッケーの技術指導を受ける際に当然注意が与えられていたはず、何でこんなことを…と首をかしげる関係者も多かったと言います。
ファンサービスの気持ちからではあるにしろ、あまりにも軽率で危険な行動であったと言えるでしょう。
観客の身が案じられましたが、唇の裂傷と前歯1本が折れたケガと判明します…
不幸中の幸いで、検査の結果、脳や首には異常はなく、後日、直接非公式に女性の元におもむき、詫びた木村さんに対し、女性側も受け入れたといいます。
実はこの事故の第一報は8日後の2004年1月28日発売の「日刊ゲンダイ」のスクープでした。
衆人環視の中で、しかも、特に報道機関でもあるテレビ局の番組収録現場で起きた事故だったのですが、1週間も事実が伏せられていたのです。
人気タレント、有力プロダクションとテレビ局のあからさまな関係を垣間見ることができた事故でもありました。
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