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代紋TAKE2…奇跡のタイミングで全面回収に?!

最悪のタイミング…
言い換えればmまさに「神ってる」タイミングが仇(あだ)となった漫画があります。

1996年10月14日、発売直後の「ヤングマガジン」(10月28日号)が全面回収となった騒ぎがありました。
理由は「不適切な表現があった」から…
その当該箇所が載っていたのが人気連載漫画の「代紋TAKE2」でした。

どんな内容かといえば竹下登元総理にそっくりな大物政治家に対して、右翼が街宣車で「褒め殺し」するというシーンがあったからです。
1987年、竹下登元総理が任侠系の右翼団体から嫌がらせを受けた「皇民党事件」をモチーフにした話で、たとえ関係者からクレームが入ったとしてもコミックスで修正なり、お詫びをすれば済むレベルだったでしょう。

どう考えても雑誌を全面回収するような「不適切」な表現ではなかったはず…
いったい、なにが問題だったのでしょうか?

それこそ神っていた「発売時期」なのです…
1996年といえば、1月に橋本龍太郎内閣が発足、いわゆる「住専問題」が起こり、公的資金6850億円の投入を決めたことで世論が紛糾していました。

その住専問題を引き起こした原因の一つが「皇民党事件」なのです…
この事件を契機に、大物政治家、経済ヤクザ、ノンバンクが結託するようになり、バブル崩壊後に住専問題(住宅金融専門会社)を引き起こしたといわれているのです。

住専問題が発覚したことで橋本龍太郎は竹下派七奉行の筆頭として政権の座につき、「住専国会」で親分の竹下登元総理の尻ぬぐいをしました…
その結果、民意を問う必要が出てきて、同年9月27日、衆議院を解散したのです。

もう、おわかりでしょう…
この問題の箇所が掲載されたのは、10月20日の衆議院選挙の6日前なのです。

「住専問題は例の皇民党事件をきっかけに、政治家とヤクザが結託したのが原因なんですよ」…
と取られかねないエピソードを人気漫画雑誌の連載で扱えば、編集部や漫画家に、その意図はなくとも選挙妨害になりかねないとされたのです。

だからこそ講談社が慌てて回収したのです…
翌週10月21日発売ならば、回収することもなかっただけに、まったく驚くべき「偶然」といわざるを得ないでしょう。




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