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漫画「天 天和通りの快男児」…最終回は麻雀シーンは一切なし?!




福本伸行氏の漫画「天 天和通りの快男児」。

しがない受験生の井川ひろゆきは、雀荘麻雀を通じて天貴史と出会ったことで、代打ちとしての道を歩み始めます。
東西の裏プロが雌雄を決する東西戦に出場することが叶ったひろゆきは、天や赤木しげるという鬼才たちの生き様を目の当たりにし、己との差を痛感。

裏世界から身を引きました。
東西戦から9年、一介のサラリーマンとして生活していたひろゆきは、新聞の計報欄に「赤木しげる」の名前を見つけるというのが最終回までのあらすじです。

アルツハイマーに冒されていることを知った赤木しげるは、自我を保っている間に自らの手で逝くことを決意していました。
そのことを知った、赤木を知る者たちは、何とか止めさせようと必死の説得を試みるのです。

結果として、赤木の決意は揺るがず、皆の前で死を迎えることになりました。
そして最終話になります。

赤木の死から2年半、ひろゆきは再び天と行動を共にしていました。
会社を辞め、麻雀教室の講師をする傍らで、たまに代打ちなども行う日々。

そんな二人は、未だに赤木のことばかりを考えていました。
赤木の死を止められなかった後悔にさいなまれる天。

赤木のように生きることを選んだひろゆき。
彼らが自然と足を運ぶのは、都内に建てられた赤木の墓でした。

その場所は、博打打ち、麻雀打ちの間にも知られるところになり、いつしかそういう者たちの拠り所のようになっていたのです。
お守り代わりにと墓石を削って持ち去る不心得者たちにより、3分の1ほど削り取られた赤木の墓。

その様を見て、ひろゆきは赤木がいかに慕われていたのかを思い知るのです。
赤木の墓石の欠片を持ち、一緒に博打をしているような感覚でいること、そして何より赤木のことが皆好きなのだと。
ひろゆきも天も、またそんな一人なのでした。

この最終回につながる最終章には、単行本3巻分ほどのエピソードが詰め込まれていますが、驚くべきことに麻雀のシーンは一切登場していません。
麻雀漫画ではあるものの、赤木しげるの死の方がはるかに重大な関心事だったことなのでしょう。




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