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めくらのお市…テレビでの再放送が禁止となった理由とは?!




昭和期に活躍した女優・松山容子の新境地を拓いた幻の映画と言われている「めくらのお市」…

さて、まずは松山容子って誰?…という方もいるかもしれません。

松山容子という名前でぴんとこなくても、ポンカレーのパッケージや昭和レトロのホーロー看板に出ている女の人といえばわかるのではないでしょうか。

松山容子は松竹のニューフェイスとして映画界に入り、1957年から戦後の高度成長期を中心に活躍した美人女優。
四国の松山の名家に生まれたお嬢様であり、上品な容姿から時代劇のお姫様役を多く演じました。

その彼女が主演を務めた映画とテレビドラマに、放送禁止となった作品が存在するのです。
それが「めくらのお市」です。

現代では題名だけでアウトといった感じですが、ストーリーは、盲目の美人剣士が赤い仕込み杖を振るって、母親を捜しながら悪党を退治するというものです。
もうおわかりかと思いますが、大映の「座頭市」の丸パクリなのです。
タイトルには放送禁止用語、さらにストーリーもパクリとあっては、映画、テレビドラマともに地上波での再放送は一切ありません。

2008年にCSで放映がありましたが、今でもソフト化はされておらず、事実上の封印作品といえるでしょう。

とはいえ作品の出来栄えはよく、興行的にも成功し、映画シリーズは4作品続きました。

ちなみに2008年に公開された綾瀬はるか主演の「ICHI」という映画がありますが、こちらは「めくらのお市」のリメイクではなく、「座頭市」を女性版にアレンジしたものです。

お姫様役が多かった松山ですが、「めくらのお市」で彼女が演じたのは、実の母親に雷の日に捨てられアウトローに落ちていく哀れな女性です。

松山は「お市」を演じることで新境地を開拓し一躍スター女優となり、その後、原作者の男性と結婚をしました。
「めくらのお市」での松山の殺陣(たて)はとても美しいものです。
目を見開き、盲人であるがゆえに視線を一点に置いたまま振るう赤い仕込み杖は、明らかに他の時代劇では見られなかった色気が漂っていました。

地上波でより多くの人に観てほしいと切に思うのですが、実現は難しいでしょう。




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