こせきこうじ氏原作の漫画「県立海空高校野球部員山下たろーくん」。
海空高校野球部の山下たろーは、史上最低の野球部員とバカにされながらも、史上最高の野球部員を目指して練習を止めませんでした。
たろー以外はヤル気がない野球部員たちでしたが、強豪・山沼高校に偵察されたとカン違いして以来、たろーに引きずられるように猛練習を始めます。
勢いに乗った海空野球部は、ゆっくりだがどこまでも成長するたろーと共に、甲子園の土を踏むことになるというあらすじ。
全21巻の最終回「史上最高の野球部員」は、どのような展開を迎えたのでしょうか。
海空高校と山沼高校による決勝戦は、海空高校1点リードのまま9回表、山沼高校の攻撃を迎えていました。
しかし、2アウト一、三塁というところで打席に立ったのは佐々木。
強敵・佐々木に対し、たろーは持てる球種を惜しまず投げます。
しかし、佐々木はそれを眉一つ動かさずファールにしました。
いつ逆転されてもおかしくない状況に客席から絶望の声が上がり、肩で息をするたろーに海空ナインも不安の色を浮かべます。
けれども、辰巳はたろーを殴り「まだあるじゃねえか。史上最高の球ってえやつがよ」と怒鳴りました。
辰巳の檄にナインとたろーの表情が変わります。
たろーはランナーを無視して大きく振り被り、佐々木だけに集中。
運身の力を込め投げられたボールは、どこまでも伸び続けました。
しかし、佐々木も負けずに伸びていくボールに喰らい付きます。
誰もが佐々木のバットが芯を捉えると思った時、たろーのボールはそれを越えて伸び、辰巳のミットに吸い込まれました。
この瞬間、海空高校の全国大会制覇が決定したのです。
祝福されるたろーに、辰巳の鉄拳が降り注ぎます。
その目からは滝のような涙が溢れていました。
たろーもまた辰巳にしがみ付いて号泣します。
そしてこの日から、史上最低の野球部員・山下たろーは「史上最高の野球部員」と呼ばれることとなったのです。
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