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キャプテン翼…最終回はたった一人でブラジルへと旅立つ




高橋陽一氏のサッカー漫画「キャプテン翼」。
数あるサッカー漫画の中でも、最も有名な作品の一つと言えるでしょう。

サッカーが盛んな南葛市に越してきた大空翼。
翼は日本をワールドカップで優勝させるという夢のため、南葛小でサッカーを始めます。
若林源三や日向小次郎など日本中の強豪たちとの数々の激戦の中で大きく成長していくのでした。

中学に進学すると、翼は全国中学生サッカー大会では南葛中を率いるキャプテンとして戦い、さらにはかつてのライバルたちと共に国際Jr.ユース大会に挑み、ついにユース世界一の栄冠を手に入れるのです。

全37巻の最終回「ひとりきりの出発」。
果たして、どのように締めくくられたのでしょうか。

大空翼たちの中学生活がいよいよ終わりに近付いた頃、中沢早苗の家の電話が鳴ります。
電話は翼からでした。

翼は卒業式を待たず、一人でブラジルに旅立つことを決め、出発の前日、早苗だけにそのことを伝える電話をしたのです。
戸惑う早苗に「サヨナラ」とだけ言い残し、電話は切れました。

翌日、家を後にした翼は、バス停までの道を町並みを目に焼き付けるかのように走ります。
そこには、憧れの選手になりきってプレーする子供たちがいました。
その中には、世界的な選手と共に翼の名前もあったのです。

同じ頃、翼の出発を知らない南葛の仲間やライバルたちも、それぞれの未来に向けて新たなスタートを切っていました。
翼がバス停に着くと、そこには早苗が待っていたのです。

早苗は、精一杯の気持ちを込め、翼にスパイクを渡します。
翼はそれを受け取って、代わりに愛用のボールを渡し、笑顔でバスに向かいました。

その背中に早苗は叫ぶ。
「夢を…夢をかなえてね!!」

振り返った翼は早苗に向けて敬礼。
翼の目には、早苗と共に空いっぱいに仲間やライバルたちのエールが映っていました。

そして、翼を乗せた飛行機は、ブラジルに向けて飛び立ったのです。
ブラジルの空の下、背中に10番をつけた翼は一人、フィールドを駆けていきます。

現在はJリーグがありますが、連載当時はプロ選手になるには海外に行くしかありませんでした。
しかし、この最終回があったからこそ、全国のサッカー少年が海外リーグへの夢を見て、今も実際に活躍していると思うと考え深いものがあります。




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