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自粛や放送中止になったアニメが意外と多い件




我が国が世界に誇るアニメ・漫画文化。
中でも一番の障害はクレームによる放送中止や自粛であると言われています。

苦情や批判で、封印されたアニメ・漫画は数知れず。
特にアニメが封印されるには、それ相当の理由があります。

それは大きく分けて3つ。
差別と暴力と権利問題です。

1つ目の差別は文字通り、放送できない差別用語。
2つ目の暴力はいわゆる過激なシーンのことです。
流血シーンなども漫画では白黒ですが、同じ画でもテレビでカラーとして見ると残虐になってしまいがちですからね。

3つ目は例えば、原作者との著作権で揉めたためお蔵入りになるというケースなどが該当します。




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まず、1つ目の差別表現が問題となって封印されたと言われるアニメで代表的なものは「妖怪人間ベム」、「オバケのQ太郎」、「巨人の星」などが有名です。

他のアニメで言えば、藤子作品の「ジャングル黒ベえ」。
「黒人差別をなくす会」がオバQに抗議した際、単行本を出版していた小学館、中央公論社は、オバQの当該エピソードが収録された単行本を増版中止・回収措置をとりましたが、この際に批判が別の漫画にも向くことを避け、特に批判は抗議が無かった「ジャングル黒ベえ」も同時に回収したとされています。

その後、アニメ版も放送を自粛。
結果的に闇に葬られてしまった作品となりました。

白土三平氏原作の「忍風カムイ外伝」も封印されたアニメです。
そもそも「カムイシリーズ」は、被差別部落などを基にした漫画で、全編に渡り「○むし」や「○ちがい」などの放送禁止用語がいくつも使われています。

そのためBS放送時、第5話「五ツ」と第11話「下人」が放送中止になりました。
地方局での再放送時には第11話「下人」は「農民」にタイトルが変更されています。

余談ですが、この「忍風カムイ外伝」の後番組には、同じ白土氏原作の「忍者武芸帳」、「ワタリ」が予定されていましたが実現せず、結果「サザエさん」が放送されて、今でも続く日曜アニメの顔となったのです。

その他、水島新司氏原作「男どアホウ!甲子園」では「野球○チガイのクソジジイ」、「片手○ち」、「バカでも○ョンでも」などの差別用語が修正されました。

2000年から2001年にかけてフジテレビ系列で放送された「学校の怪談」の第3話「あたしきれい?口裂け女」が、口唇口蓋裂障害を持つ子供たちの保護者が組織する「関西地区口唇口蓋裂児と共に歩む会」から抗議を受け、放送直前に中止となりました。

3つ目のの理由の暴力については、過激な表現が問題になることはもちろん、実は社会を震撼させた事件や事故などに配慮して放送自粛・中止になるということも少なくありません。

このパターンはクレームが来たからということではなく、問題になることを事前に避ける意味での自粛で、社会的影響に配慮したことによるものです。

社会的影響といえば、1997年の神戸児童連続殺傷事件。
「17歳の暴走」が社会間題となり、アニメでは「吸血鬼美夕」、ドラマでは「銀狼怪奇ファイル」、「エコエコアザラク」など多くの作品が放送の自粛・縮小を余儀なくされたのです。

1998年の和歌山毒人りカレー事件の影響で、「たこやきマントマン」、「浦安鉄筋家族」が、それぞれカレーを扱うシーンがあったため放送が自粛されました。

2006年に京都で発生した16歳の少女が就寝中の父親を殺害したという事件に配慮し、「School Days」の最終話が女子高生による暴力シーンがあることから放送を自粛、「ひぐらしのなく頃に」が東海テレビやテレ玉が途中で放送打ち切りを発表しました。

世界中を震感させた2001年のアメリカ同時多発テロ。
WOWOWで放送された「フルメタル・パニック!」は、そもそも同年の秋に放送開分予定でしたが、テロの影響で3ヶ月放送が見合わせています。

また、続編の「フルメタル・パニック?ふもっふ」も、2003年の長崎幼児誘拐殺人事件の影響で第一話 「妥協無用のホステージ」と第二話「すれ違いのホスティリティ」が、登場人物の弟を拉致するというシーンなどがあったため放送自粛になったのです。

なお、この「フルメタル・パニックシリーズ」は、放送ごとに何かしら放送自粛などのアクシデントが発生するため、ちょっとした話題にもなりました。

2007年に札幌で起こった教頭児童買春事件。
この影響で封印されたアニメが「こどものじかん」です。

生徒と小学校教師の恋愛を描いた物語だったため、同年10月からテレ玉や三重テレビが放送を予定していましたが、当時の社会情勢を考慮して急きょ放送中止の運びとなりました。

中でもアニメに影響を与えた出来事と言えば、2011年3月11日に発生した東日本大震災ではないでしょうか。
「べるぜバブ」や「ドラゴンボール改」、「スイートプリキュア♪」や「魔法少女まどか☆マギカ」など多くのアニメが差し替えや別の時間帯に振り替えられました。

特に「ドラゴンクライシス!」は第10話の水を使うシーンをカット。
「そふてにっ」の第3話に出た洪水シーンや「Dororonえん魔くん メ~ラめら」の第3話の渦潮シーンは差し替えられました。
あの「ONE PIECE」も遅れネットの地域では放送内容が変更されたのです。

1997年に発生した「ポケモンショック」。
番組を見た子供たちが、強い光の点滅などの影響で、発作やけいれんを起こしたというものです。

その数約700人とも言われ、かなりの被害者が出たことがわかります。
もちろん被害者が出たことも大事ですが、この事故はテレビ番組作りに大きな影響を与えました。

この事故を発端として、アニメのテロップに「テレビを見るときは明るくしてください」などと入れるようになったのです。
実はこれだけではなく、他のジャンルの番組でも、事前にエクスキューズのテロップを入れることがポケモンショック以降、当たり前になりました。

実はアニメは子供に見せるものであるため、そもそも規制が他の番組比べて厳しいのです。
ゴールデンの時間のアニメは親子で見てもなんら差し支えがないものに仕上げなければいけません。
この辺りはが自粛中アニメが生まれた原因と言えるのではないでしょうか。




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