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映画「混血児リカ」が海外で「Rica Trilogy」で販売されている理由

彫師であり、劇画家としても活躍した梵天太郎が「週刊明星」に連載していた「不良少女伝 混血児リカ」という作品を実写映画化…
主人公のリカは母親が米兵に襲われて生まれた混血児で、そのリカも16歳のときに母親の愛人に襲われるといういきなりハードな展開でした。

やがてリカは鑑別所に送られ、そこで出会った少女たちと人身売買組織をつくったり、ヤクザとケンカしたり、踊り子になったり…
と突拍子のないストーリがエロとバイオレンスに彩られながら展開していきます。

監督は中平康で、脚本はなんと。近代映画協会会長で日本のインディペンデント映画の先駆者であった新藤兼人…
主人公のリカを演じたのは、この作品でデビューを果たした青木リカ。

まさに「混血児リカ」そのもののキャラクターで、大胆なヌードを披露し ながらアクションにも挑戦…
ぶっきらぼうなセリフ回しに加え、歌詞がものすごい主題歌も堂々と歌い上げて売り出しがかけられました。

作品はそれなりの人気を獲得したようで、映画は続編「混血児リカ ひとりゆくさすらい旅」、「混血児リカ ハマぐれ子守唄」と全3作もつくられたのですが、青木リカはそのまま芸能界からフェードアウト…
映画もソフト化されることもなく封印されてしまいました。

タイトルこ入ってしまっている「混血児」という表現が放送コードにひっかかるうえ、映画の内容も差別描写が満載なのが現在までソフト化されていない理由なのでしょう。

しかし、アメリカでは1970年代邦画ピンキーバイオレンスの代表作としてとらえられ、3部作がトリロジーパック(「Rica Trilogy」で販売)としてDVD化されています。
日本での発売も期待されましたが、現在でもまったくそのような話はありません。

この作品が、不良性感度の高い作品を多く制作していた東映ではなく、どちらかといえばマイルドな作風が多かった東宝によるもの…
という点も封印された事情に関連しているのかもしれません。




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