実は連載が始まったばかりの頃の「パーマン」は、なかなか過激な表現が多く、あとで修正が入るケースが普通でした。
中でも、ストーリーが全編にわたって「過激すぎる」と判断され、コミックスには収録されなかったのが、1968年に発表された「くるわせ屋」です。
ストーリーは毒を塗った吹き矢を使い、狙った相手を自由に発狂させる殺し屋の話で、ボクサーやパイロットなど、様々な職種の人々が次から次へとおかしくなっていく描写が続く異色作です。
あまりにも極端な発狂の描写やセリフが問題となり、本作はおよそ30年にわたってコミックスへの収録を見送られました。
ところが、2010年の「藤子・F・不二雄大全集」についに「くるわせ屋」の再収録が決定…
多くのファンが喜んだものの、今度は大半のセリフに修正が入る事態となったのです。
一例を挙げると、
「気がちがったようです」→「何かあったのでしょうか」
「クルクルパーマン」→「ウヒャヒャー」
「頭にくる人が多い日だね」→「おかしくなる人が多い日だね」
など、あの手この手でヤバい表現の数々を変更…
コアなファンからは無念の声があがりました。
ちなみに、「パーマン」には他にもお蔵入りになったエピソードが多く、たとえば1960年代に発表された「怪獣さがし」では、アマゾンの奥地に入ったパーマンが人食い人種に襲われるシーンが問題となって、コミックスから削除されました。
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