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映画「コンクリート」…当然のように批判殺到で公開中止?!

2004年に公開された映画「コンクリート」(ベンテンエンタテインメント)…
この映画は、少年犯罪史上最悪といわれる「女子高生コンクリート詰め殺人事件」(1988年)をモチーフにした作品でした。

突然、公開前から批判が殺到し、予定していた銀座シネパトスは公開を中止…
50席に満たない小さな劇場でわずか1週間の上映になったのです。

それでもソフト化は諦められなかったのか、公式HPの書き込み欄をクローズしてDVDを販売…
今でも「封印」はされていません。

映画の原作は、事件を小説仕立てにした2003年の「十七歳、悪の履歴書」(作品社)を執筆した渥美饒児(じょうじ)氏…
純文学でデビューしたものの、出版不況もあってか、2001年に日本で原発事故が起こるパニック小説「ジャパン・シンドローム」(作品社)を発表しています。

そうして次回作として女子高生コンクリート詰め殺人事件を題材に取り上げました。
渥美氏は、少年犯罪を専門とするジャーナリストでもなければ、社会派事件を得意とする作家でもありません…
原作は「関係者に突っ込んだ取材をすることもなく書き散らしたお粗末なもの」と評されたのです。

そんな作品に目を付けたのが、自主映画を作りながら商業デビューを狙っていた中村拓監督…
低予算で、わずか5日で撮影したといいます。

犯人役は、当時、ブレイク寸前だった俳優の高岡奏輔氏を起用…
犯罪者側を英雄視しているともとらえられかねない部分があると批判されました。

さらに当時、類似犯罪を助長し、被害者遺族を傷つかねないという懸念が噴出…
神戸連続児童殺傷事件の「少年A」でマスコミが大騒ぎをした結果、類似犯が頻発していました。

本人も2015年、「絶歌」(太田出版)という手記まで出版…

少年犯罪に関してメディアは慎重な対応が求められることをあらためて考えされるきっかけになりました。




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