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ムーミン…核戦争の世界を表現しているというのは嘘ではない?!




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時代を超え、世界中の人々から愛されている名作「ムーミン」。
故郷であるスウェーデンを舞台に登場するムーミンたちは、正式にはムーミン・トロールと呼ばれる妖精の一種です。

温かみのある絵や、ムーミン達の愛らしい外見に魅了されている方も多いのではないでしょうか。

作者のトーベ・ヤンソンは画家でもあり、ムーミンの原型となるキャラクターは小説執筆以前にもたびたび描かれていたそうです。

造形的には、トーベが10代の頃、次弟ペル・ウーロフ・ヤンソンとの口ゲンカに負けたときに、トイレの壁に悔し紛れに描いた「SNORK(スノーク、とても醜い生き物)」として描いたものが、ムーミントロールのルーツであるとされています。

ネーミングは叔父の家へ下宿をし学校へ通っている時代、勉強の合間に冷蔵庫から食べ物を失敬しては夜食にしていたのですが、ある時に叔父から注意され、「この裏にはムーミントロールというお化けがいるからつまみ食いはやめなさい。首筋に冷たい息を吹きかけてくるぞ。」と言われたことがきっかけなのだそう。

さて、名作にはあやしげな噂話がつきものですが、実はアニメ版「楽しいムーミン一家」にも、恐ろしい都市伝説が存在しました。
ムーミンが暮らす谷は、核戦争で人類が滅んだあとの世界だというのです。

この説によれば、スナフキンは人類の唯一の生き残りで、ムーミンたちは放射線で突然変異を起こしたカバなのだといいます。
ネットなどでは、あたかも真実のように語られるエピソードです。

しかし、もちろんこの説は完全なデタラメ。
ムーミンは「トロール」という北欧の妖精の一種だし、スナフキンの他にも人間は登場するうえ、なかには登場キャラが車や電化製品を使うシーンもあるからなのです。

ただし、ムーミンの世界には「核兵器への批判」が込められているという説については、昔から批評家の間ではめずらしくない解釈のひとつです。

たとえば、ジョージ・スクールフィールドの「フィンランド文学の歴史」によれば、原作シリーズの2作め「ムーミン谷の彗星」で大きな火の玉が襲いかかるシーンや、クライマックスで雪が降りしきる中ムーミンたちが眠りにつく不穏な場面は、核戦争と核の冬の表現なのだといいます。

実際、作者のトーベ・ヤンソンは、ヒトラーやナチスをバカにした風刺画でも知られ、批評精神が強いことで名高いのです。
ムーミンに書く批判の意味を込めたとしても不思議ではありません。




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