白い秋田犬であるヤマトがライバル犬との戦いを乗り越え、山形闘犬の横綱へのぼり詰める、というストーリー。
犬を主人公に据える高橋よしひろ氏の原点ともなった作品であり、作者が本宮ひろ志氏のアシスタントをしていた頃に、愛犬の死を実家にいる母親からの電話で知ったことがきっかけで、この作品を描くことになったそうです。
並み居る強敵を倒し、最強の横綱犬を目指すヤマトの結末はどうなったのでしょうか…
海王戦が始まり、序盤から圧倒されたヤマトは海王の脚を取ります。
海王もまたヤマトの腹に喰いつきました。
皆が最悪の事態を覚悟した時、会場の後方からヤマトを叱咤する声が届くのです。
それは立花年男のものでした。
年男は、その強さに憧れるゆえに憎んできたヤマトが負けることが許せなかったのです。
その声が届いたのか、ヤマトは腹部の激しい出血に堪えて海王にのしかかります。
するとどうしたことか、ダメージがないはずの海王の動きが弱ってきました。
ヤマトは自分の出血で海王の呼吸を塞ぎ、窒息させていたのです。
海王が耐え切れずキバを離すと、ヤマトは傷ついた体で高く飛び上がり、ブーメラン殺法を放ちます。
海王はフェンスに叩きつけられて動けなくなり、ヤマトもまた深く傷つき、どちらが勝者なのかはまったくわからない状態へ。
しかしここで、傷ついたヤマトを救うため、良がタオルを投げで負けを認めます。
ところが、良よりも早く海王側のタオルも投げられていました。
協会への恨みから強さにこだわってきた海王の飼い主も、海王を愛するがゆえに勝負を捨てたのでした。
こうしてヤマトは、正式に山形闘犬協会の横綱に推挙されました。
ある冬の日、良はヤマトを連れて恩人・舞原龍人の墓に参ります。
帰り道、同じく墓参りにやってきた年男とすれちがいます。
龍人に闘犬・剣を託された年男は、自分と龍人の夢のため、心を改め正々堂々と戦うことを誓い、龍人の墓に報告するのでした。
ついにヤマトが念願の横綱になり、あの年男も改心し、まさしく大団円といえる最終回となりました。
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