主人公・国宝 憲一は幼い頃、憲吉の不注意から川に流され、山で行方不明になってしまいます。
しかし、山に住む玄米に拾われたケンイチは野生児としてたくましく成長し、そして本当の家族と街への憧れから憲一は下山し、程なく本当の家族と再会。
しかし憲一には都会の知識や常識がまるでなく、本人の人間離れした身体能力もあいまって、普通ではないトラブルに満ちた日常が繰り広げられるというストーリーです。
山中で育ったために常識を知らないケンイチ(国宝憲一)を中心にドタバタギャグが展開し、「やるじゃない?」が口癖のロッキー羽田や、ダックくん、ポキール星人などサブキャラも人気を集め、1988年にはテレビアニメ化されるほどのヒット作となりました。
しかし、連載当初から暴力的な表現や、弱者をイジるネタが多く、たびたび読者から指摘されていたのです。
もちろんすべてギャグのうちなのですが、違法行為や流血シーンなどの描写もたまにあり、障がい者がネタにされることもありました。
そして、ついに1990年の「週刊少年ジャンプ」10月22日号に掲載された「サイボーグ用務員さんの巻」が差別にあたると大問題となったのです。
ケンイチの副担任だった早見先生が、「なにもしてもらうことがなくなった」ということで用務員となり、ケンイチたちはいきなり罵倒。
怒る早見に対して「おっさんはもう先生じゃないのだ。先生じゃなきゃタダの人だからなにをいってもかまわないのだ!」と侮辱し、「死んじまえー!」「クルクルパー」など理由のない罵詈雑言を大勢の生徒から浴びせられるという内容。
この話は、発売直後から「用務員をバカにしている」という意見が労働組合などから編集部に殺到。
自治労の大阪府本部が「学校用務員に対し本コミックは全編において用務員の仕事と存在を否定しており、全国の用務員及びその家族に侮辱を与えている」と正式に抗議。
集英社は「当該号の回収」「誌上での謝罪及び全国紙5紙への謝罪広告の掲載」などで対処しました。
なお、この回収に協力した者にはシャープペンシルが送られたといいます。
連載打ち切りは回避されましたが、このエピソードはコミックスには未収録となり、封印されることになりました。
しばらくして連載は一旦終了しその後「燃える!お兄さん2」として再開されましたが、人気が再ブレイクすることもなく、まもなく連載は終了となりました。
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