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ウルトラQ…未完の最終回はサラリーマンの悲哀?!




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ウルトラマンシリーズをはじめとした特撮作品で知られる円谷プロには、多くの才能あふれる作り手が集結し、「子供向け」に甘んじない姿勢で名作を生み出してきました。

そんな姿勢が勇み足となってしまったのが、「ウルトラQ」(1966年・TBS系)の第28話「あけてくれ!」でしょう。
「ウルトラQ」は、セスナ機パイロットの万城目淳(佐原健二)と助手の戸川一平(西條康彦)、新聞社のカメラマン江戸川由利子(桜井浩子)が、様々な怪奇現象に遭遇するオムニバス作品でした。

カネゴンやガラモンなどが登場して怪獣ブームに火をつけた同作ですが、この「あけてくれ!」に怪獣は登場しないのです。
脚本は、「3年B組金八先生」で知られる小山内美江子…
なんと、サラリーマンの悲哀をテーマとしたエピソードだったのです。

万城目と江戸川がドライブデートしていると、路上に中年の男が倒れていました。
声をかけても反応が鈍く、とりあえず保護しまう…

催眠術で男の記憶を呼び起こすと、彼はサラリーマンで、不思議な「空飛ぶ電車」に乗っていたことがわかります。
行く先は、現実世界の苦しみと無縁のユートピアだとか…
車窓には男の過去の映像が写し出されました。

「あけてくれ!ここから降ろしてくれ!」…
幼かった頃の娘を見て、男は急に帰りたくなり、現実世界に戻ってきたのでした。

しかし、辛い現実はなにも変わらない…
男は会社を辞めてしまいます。
最後は、男が空飛ぶ電車に「俺も連れてってくれ!」と叫ぶシーンで終わります。

このエピソード、早い段階でフィルムが完成していましたが、子供には難解だとして、TBSのプロデューサーからストップがかかり、未放送のまま番組が終了してしまいました。

日の目を見たのは、1967年の再放送…
DVDでは、最終話として収録されています。




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