アルバイトをしながら自転車で日本一周の旅をしている雪藤洋士(ゆきとうようじ)。
普段は眼鏡をかけた気の弱そうな青年ですが、ひとたび法では裁けない悪党が現れると、冷徹な暗殺者・黒い天使に豹変するのです。
悪党共を次々と地獄へ葬り去って行き、やがて雪藤は十字架という宿命を背負った仲間と共に、人間を奴隷のように支配しようとする超能力集団・白い天使たちと戦うことになるのがあらすじです。
さて、悪人を地獄へ葬る必殺仕置人の結末はどのようになるのでしょうか。
日本を支配した勇気はパワーアップさせた超能力を使い、雪藤に相応しい死に場所、キリストが十字架に磔(はりつけ)にされたゴルゴダの丘の景色を再現します。
一方の雪藤は4人の黒い天使=牙亮、ジュディ、紅林雄、嵐兄妹の宿命づけられた十字架を一つにまとめあげ、自らの背中に焼き付けるのでした。
地上で唯一の黒い天使となった雪藤は、勇気との一騎打ちに挑み、彼が作り上げた階段を一歩一歩、鬼の形相で登っていきます。
その態度に憤慨する勇気。
自分と同じ次元に雪藤が登ってこられるはずはないと、得意の超能力を繰り出して行く手を遮ります。
絶対零度、超念波…
しかし、これまで死んでいった松田たち黒い天使全員分の宿命も背負い、十字架の力が集約された雪藤の歩みは止まりません。
戦慄を覚える勇気。
超能力が通用しないのは、すでに雪藤の心臓は停止し、死んだ状態だからだと気づくのです。
そんな人間が自分を殺そうとする現実に耐えきれず、亜空間へ逃げ込みました。
しかし、勇気は今は亡き黒い天使たちに取り囲まれてしまうのです。
行く手を阻まれた勇気に「黒い天使とは悪に対する怒り…その怒りがある限りたとえ体は滅しても魂だけは生きつづける!」と、雪藤はとどめのスポークを脳天に突き立てます。
絶命する勇気を見やりながら、雪藤の体はどこかへ消え去っていくのです。
勇気が作り出した幻影は消え、そこには1本のスポークが落ちていました。
雪藤の形見なのでしょうか。
それを拾い上げたジュディは、雪藤が生きていることを信じて天を見上げるのでした。
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