やなせたかし氏の絵本を基にアニメ化され、今なお多くの人から愛され続けている「アンパンマン」。
日本テレビ系にて1988年から「それいけ!アンパンマン」のタイトルで放送され、劇場用作品も2020年現在で32本を数えるなど、まさに国民的アニメと言っていいでしょう。
アンパンマンというキャラクターの最大の特徴は、顔がアンパンでできていてお腹がすいて困ってる人に自分の顔を食べさせるということ。
これは戦争経験者であるやなせ氏の「人生で一番つらいことは食べられないことであり、究極の正義とは飢えて困っている人に食べ物を与えること」という深い思想に根ざしているのです。
ちなみにアンパンマンのアンパンの中身は粒あん。
その理由は明確になってはいませんが、アンパンマンの公式サイトに寄せられた質問でそう答えているのです。
また、アンパンマンの人気の理由の1つに、登場するキャラクターのバラエティの豊かさがあります。
キャラクターの数は非常に多く、生みの親である作者のやなせたかし氏ですら、その数を把握できていないという話まであるほどでした。
登場キャラクターは、カレーパンマン、しょくぱんまん、てんどんまんなど、アンパンマン同様、食べ物に由来するものがほとんど。
一方、敵役には、ばいきんまんのようなばい菌やホラーマンのようなお化けなどがいます。
そして、アンパンマンに守られる町の住人はカバの姿のカバおくんなど、動物の姿をしているのが特徴です。
こうしたアンパンマンワールドの住人の中で人間の見た目をしているのは、ジャムおじさんとバタコさんだけ。
では、この2人が人間なのかというと、そうではありません。
アンパンマンの公式サイトに、「ジャムおじさんとバタコさん以外に人間はいますか?」という質問が寄せられているのですが、それに対する回答は「ジャムおじさんとバタコさんは人間の姿をしていますが、妖精なんです」というものでした。
2人は人間ではないのです。
ちなみに2人の関係を聞く質問もありますが、それに対しては「無関係なんです」とのこと。
ただ、その後に「とは言っても、一緒に暮らしていますので、非常に家族に近い関係でしょうか」と続いており、親戚などではないながらも仲の良い関係のようです。
また、アンパンマンの町の住人は服を着て2本足で歩く擬人化された存在ですが、そんな中、動物らしい動物なのが犬のチーズです。
森の中で泣いていたところをアンパンマンに助けられ、それ以来、ジャムおじさんのパン工場に住みついているという設定です。
けれども実は他の設定もあるのです。
原作のアンパンマンには絵本以外に、「月刊いちごえほん」(サンリオ)という雑誌に漫画形式で連載された作品があります。
この漫画は絵本とはキャラクター設定が少々違います。
アンパンマンは犬嫌いという設定で、チーズはアンパンマンをやっつけるために、ばいきんまんが連れてきた犬だったのです。
しかし、チーズは結局、ばいきんまんから離れてアンパンマンたちに懐いてしまったのだと言います。
実はチーズにはこんな裏設定もあったわけです。
ちなみにアンパンマンの公式サイトによると、チーズの犬種はわからないそうですが、「でも、チーズは立派な名犬です」とのことでした。
Sponsored Links
この記事へのコメントはありません。