今泉伸二氏の漫画「空のキャンバス」。
幼い頃、北野太一の前に現れたあいつ。
太一は、あいつが見せた月面宙返りに自信を砕かれます。
あいつに挑戦を続ける太一でしたが、ある日、壊れた橋から落ちたあいつを救うために大怪我をし半身不随となります。
成長し、怪我を克服した太一は、姿を消したあいつと勝負するため、体操の世界に飛び込みました。
太一は気付いていませんが、そこで出会った少女・赤城榛名こそ、かつてのあいつが成長した姿だったのです。
全7巻の最終回「ありがとう…そして…」はどんな展開を迎えるのでしょうか。
北野太一が出場する世界選手権は個人戦に舞台を移します。
大会直前から視力を失い始めた太一でしたが、それを隠したまま、驚異的な集中力で10点満点を連発して首位に立ちました。
床運動を残し太一は視力を完全に失いますが、彼はあのマントを持ち、笑顔でフロアに向かいます。
しかし、先に演技を終えたライバルのストロガは10点を出し、太一との差を詰めていました。
太一が金メダルを獲るには10点満点を出さなければいけません。
太一が最後の宙返り技に入ろうとした時、限界に達した彼の動きが止まります。
しかし、異変に気付きフロアに駆け寄る榛名の声が届いた瞬間、見えない目に榛名の姿が映り、助走が始まりました。
太一の体が床を離れ、大技・後方伸身三回宙返り三回ひねりが披露されます。
会場は目前の奇c跡に沸き上がりますが、着地がわずかにラインをオーバーしていました。
痛恨のミスにどよめく人々。
しかし、得点は10点満点でした。
太一の金メダルが決まったのです。
ところが、なぜか太一は着地姿勢から微動だにしません。
榛名は硬直した太一の体に抱きつき涙を流します。
太一の目にはもう何も映ってはいませんでした。
この大会で榛名は引退し、それからの彼女は後進の指導に専念。
空を見上げる彼女の目には、いつでも太一のあの技が甦るのでした。
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