今でもお洒落エリアとして名高い横浜…
そんな横浜のベイエリアを舞台に、スタイリッシュなスーツに身を包んだサングラス姿の舘ひろしさん(タカ)と柴田恭兵さん(ユージ)が駆け回る1980年代後半のバブルな時代感を色濃く反映した人気刑事ドラマ「あぶない刑事」をご存知の方も多いのではないでしょうか。
脇を固める浅野温子さん(薫)や仲村トオルさん(透)らのキャスティングもまた、当時全盛のトレンディドラマ路線そのものでした。
一見してイロモノ的なドラマ企画なのですが、ここに1970年代の「太陽にほえろ!」で刑事ドラマの常識を打ち破った岡田晋吉プロデューサーが企画で参加していることからもわかるように、紛れもない日本テレビ系刑事ドラマの本流企画であり、その人気は現在まで続いているのです。
最近でも2016年の1月には劇場版「さらばあぶない刑事」が公開されるほど、未だ人気衰えぬ刑事ドラマだと言えるでしょう。
そんな人気シリーズの中にも封印ナンバーは存在します…
1994年と1996年に地方局で再放送された際に、第33話「生還」がカットされていたのです。
話は覚せい剤の密売組織に潜入していたタカが監禁されたという背景があり、横浜港署内で心配する同僚たちの会話が問題のワンシーンになりました。
薫が「女のところへ行っているのよ」と言えば、ユージは「男だったりして…」とらしい返答をします。
さらに薫が「エイズの検査に行ったのよ」とかぶせ、「タカはエイズに違いない」と騒ぎ立てます。
それを聞いて顔を曇らせる透が一言「ヤバい~この間、鷹山先輩(タカ)とキスしちゃった…」と衝撃的な告白したのです。
気づくと、彼の周りから人がいなくなっていく…
というようなエイズオチのシーンが描かれていたのです。
さらに最後には、ホウキを持ってきたベンガル(田中)が追い出そうとするという丁寧なかぶせまでついてくるのでした。
当時はまだエイズに対して社会的に知識が乏しい状態であったため、「男性の同性愛=エイズ」という乱暴な方程式が成立していたのでしょう。
けれども現在ではとても地上波で放送できない差別的な描写です。
ちなみにこの回は、CS放送やDVD版では確認されていますが、時代によって表現の意味が変わってくるという代表例でもあります。
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時代が時代だけに今放送するとなると結構難しいでしょうねぇ。
囮、盗聴、鉄砲バッカンバッカン、乱闘歓迎、記事にあるエイズ関連、みんなたばこぷかぷかと。
ただ一つ言えるのは「ドラマ」なのだからこのくらいのハチャメチャ要素、コメディーとシリアス、絶妙なバランス感でみると個人的には何の問題もないと思います。
リアリティー求めて組織的なところまで描かなくても刑事ドラマってこのくらいやっちゃった方が面白いんだよなぁ…っと。
そう考えてみると規制規制と訳の分からないことを言ってる団体がやっぱり邪魔ですよね。
表現の自由ってこういうドラマなどのフィクションの部分に好きなだけ充てるべきで、中立性が問われる報道関連の番組で報道しない自由を振りかざしている今日の世の中、寂しいものがありますね。本当に無意味な組織。
もう一度原点に返ってより楽しい番組、より鮮明な事実をしっかり報道できるテレビ放送であってほしいと祈りたいです。