1994年に刊行が開始された青山剛昌氏原作による日本の推理漫画作品。
週刊少年サンデーの連載開始と共に好評を博して、アニメ化されると爆発的な人気を得たと言えば「名探偵コナン」でしょう。
皆さんご存知、謎の組織によって体が小さくなった高校生探偵の工藤新一が「江戸川コナン」と名乗り、数々の事件を解決する推理漫画。
単行本は累計は2018年11月の時点で全世界累計2億3000万部を突破。
漫画・アニメ共に、世界でも翻訳・刊行・放映されている国もあるほど。
毎年公開される劇場版の累計興行収入は2019年公開の第23作「紺青の拳」をもって4年連続で上半期邦画ナンバーワンを記録。
シリーズ全体での累計興収も800億円を突破しています。
そんな名探偵コナンですが、その長期連載における弊害もあります。
例えば、作中で何度も春夏秋冬が巡っている割に物語の時間はわずか半年と、あまり経過しないため、コナンの周辺では殺人事件が類発する状態になっています。
すでに漫画の中だけで500人以上が亡くなっていると言います。
その他にも、最初は公衆電話を使っていたのに、いつの間にかスマホを駆使していたり、連載初期のDNA鑑定では血液型程度しか判別できなかったのにも関わらず、今では本人かどうかまで確定できるようになっていたりと、わずか半年の間に科学が凄まじい進歩で発達しているのです。
さて、そんな名探偵コナンには、実はパクリ疑惑が出たことがありました。
それは1981年に発表された故・舟崎克彦(ふなざきよしひこ)氏による児童文学作品「ピカソ君の探偵ノート」(ピカソ君シリーズ)と設定がかぶっているというものです。
主人公の杉本光素(みつもと)は、サウスポー選手としてリトルリーグで活躍していた時に事故で腰椎を折ってしまい、さらに奇病を併発したことで、肉体の成長が止まってしまうという設定。
イギリスで治療とリハビリの日々を送り、3歳で帰国すると小学校に復学。
「ピカソ」というあだ名を付けられた彼は探偵として活躍する…
というのが「ピカソ君」の大まかな内容です。
ちなみにピカソ君は、桜町小学校の6年生ですが、本当の年齢は23歳。
「ピカソ」というのは彼が何かをひらめくと眼鏡がピカリと光ることから付けられました。
読者から類似を指摘された舟崎氏が小学館に問い合わせると、「スタッフがピカソ君のシチュエーションを面白がって一アイデアとして提案した可能性はないとは云えない」と回答されたと言います。
類似しているのは、
1:主人公が名探偵で、シャーロック・ホームズを崇拝している点
2:小学校に通学していて、見た目は子ども、頭脳は大人な点
3:子どもなのにネクタイとスーツ
4:名前が実在の人物から付けられていて、カタカナ3文字という点
ただ、2以外は手塚治虫氏の漫画などですでに描かれているなど、パクリとは言い難い部分があります。
他にも、古くは1959年にドイツの作家ギュンター・グラスが発表した小説「ブリキの太鼓」にも、見た目は子ども、頭脳は大人な点の主人公が登場している作品もあります。
工藤新一が子どもの姿になった事情や内容は全く違い、そもそもアイデアの類似は著作権保護の対象ではありません。
そのため、パクリであるとは明言できないでしょう。
ただ、小学館に問い合わせる舟崎氏は、当時の小学館の対応の不誠実さに関して「責任の所在がない」、「グレてやる」と苦言とも取れるコメントを残していたとか。
また、ピカソ君の探偵ノートシリーズの第3作「大リーガー殺人計画」に「名探偵でコンナひと、ほかにもいたっけピカソ君?」という明らかにコナンを意識した文を添えるなどの反応を行っています。
あとは作品を読んだ各々が判断するしかなさそうですね…
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