PARTⅡ・PARTⅢと高視聴率を誇った「大都会シリーズ」に続いて、石原プロが制作した「西部警察」(テレビ朝日系・1979年~)でした。
ご存知のようにショットガンなどの警察らしからぬ派手な銃火器を使用し、爆破や火薬満載の過剰演出をほどこした、1980年代末のバブル期を先取りしたような刑事ドラマだったのです。
そんなかつての人気ドラマが、「西部警察2003」として19年ぶりにシリーズで復活することになりました。
当時は「1話1億円」という桁違いの予算で、旧作のファンのみならず、新たなファン層の獲得も期待されていたのです。
しかし、放送を直前に控えた2003年8月12日…
撮影中に見物客を巻き込み、5人が重軽傷を負う交通事故が発生してしまうのです。
これにより、番組の制作は中止になりました。
事故の現場は、名古屋市内にあるカー用品店「スーパーオートバックス名古屋ベイ店」の駐車場…
見物客500人が見守る中、中国人密輸組織の構成員を追い詰める刑事がTVR製タモーラ、TVR製タスカンなるイギリス車で倉庫から緊急出動します。
先をゆくタモーラは見物客の前を無事通過したのですが、その後を追う石原プロ期待の若手・池田努氏運転のタスカンはハンドルを切りすぎて駐車車両に激突しかけ、それを回避しようと逆ハンドルを切ったが、接触事故を起こし制御不能になりました。
そうして、そのまま植え込みの前にいた見物客に突っ込んでしまうのです。
事故の動画は今でもYouTubeで公開されています。
ショッキングな映像ですので、心臓の弱い方などはお気をつけください。
この事件を受けて、涙ながらの記者会見を開いた池田氏は「いいところを見せたくてアクセルを踏みすぎた」と語りました。
池田氏とともに病室で土下座をして回った石原プロ社長(当時)・渡哲也氏の被害者への真摯な対応もあり、ほどなくして被害者全員と和解が成立しています。
被害者の怪我も回復したとして、2004年10月31日に、問題のロケの部分を含まない2時間スペシャル特番「西部警察SPECIAL」が放送されました。
これは連続ドラマ「西部警察2003」の開始直前に放送される予定であったもので、同年12月24日にDVDとしても発売され予約で3万枚を超える大ヒットとなったのです。
しかし、肝心のドラマシリーズはお蔵入り…
未だ復活の声も聞かれません。
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