ジョージ秋山氏の「海人ゴンズイ」。
乗っていた船が沈没し、流刑の島へと漂着したアフリカ生まれの黒人の少年が主人公。
赤子を亡くし精神を病んでいる女性アズサはこの黒人の子を助け、我が子としてゴンズイとして育てました。
巨大ザメや人喰いカマスなど、危険すぎる海洋生物が多数存在するこの島で、ゴンズイはたくましく生活します。
そして次第に言葉も理解できるようになり、島で暮らす子供たちと触れ合うことで友情も芽生えたのでした。
全1巻で最終回「みんな仲間」はどのように幕を閉じるのでしょうか。
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大人たちが去った流刑の島に置き去りにされたのは子供と、精神を病むアズサだけでした。
そんなある日、サメよりも危険な人喰いバラクーダが島の付近に現れます。
近づく人や魚を食い尽くしてしまうため、このままでは飢え死には免れません。
子供たちのリーダー格のドクは、バラクーダとの戦いを余儀なくされます。
そこに現れたゴンズイは、バラクーダを退治したら友達になって欲しいと、皆に訴えました。
こうしてゴンズイとバラクーダの孤独な戦いが始まります。
サメよりも凶暴なバラクーダは、野生児のゴンズイに強敵でしたが、巧みな罠を駆使して1匹のバラクーダを仕留めました。
しかし、その功績をサイジに横取りされ、海に突き落とされるゴンズイ。
未だ海にいる4匹のバラクーダに狙われ、絶体絶命のピンチ。
そんな危機を救ったのは、かつてゴンズイが助けたサメでした。
サメの助力を得て、ゴンズイは残りのバラクーダを全滅させることに成功します。
そうして最終話。
島の子供たちと友達になったゴンズイの前に、1匹の人魚が現れます。
ゴンズイのことを好きだという人魚の正体は、同じ島の別エリアに住む少女でした。
魚を取れる仲間がいないために、ゴンズイに仲間になって欲しくて近づいたのです。
その目論見はバレてしまいましたが、ドクは「この島にいる奴らはみんな仲間だ」と言い、彼女たちに協力を約束したのでした。
生まれた国も肌の色も関係なく、手を取り合って生きていく様はまさに理想郷でした。
最終話のラストシーンで見せたゴンズイの笑顔は実に印象的です。
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