1985年〜1987年にかけて実写ドラマ化したTVシリーズ3部作が放映され、劇場版2作品が公開された他、2006年にはリメイク版の劇場映画が公開されるなど、人気が高い本作品。
作者は編集者から「婦警さんの話を描いてみませんか?」と言われたのが発端だったと巻末でコメントしています。
編集者は刑事モノ、作者は学園モノを描きたいと思っており、一度は悪の道に入ったヒロインが学校に巣喰う悪徳教師等を倒す何かをと思いつつ特にスケバンを意識した訳ではありませんでしたが、刑事モノを描いて欲しい編集者がスケバンと決めつけ「スケバン刑事」というタイトルが決定したそうです。
さて、信楽老が滅び、平和を取り戻した日本。
鷹ノ羽高校にも卒業の日が訪れますが、最終回はどのように幕を閉じたのでしょうか…
春になり、サキが戻らないまま卒業式を迎える鷹ノ羽高校。
しかし、沼先生は式の後も彼女が来ることを信じて、卒業証書を携えて校門で待ち続けます。
番長連合たちもまた、同じ思いを抱き、鷹ノ羽高校に集まっていました。
その時、急に風が強くなり、桜吹雪が舞い散る中、人影が近付いてきました。
「やっほう、おくれてごめん!」と、明るい声と共に現れたのは、麻宮サキでした。
歓声の中、友との再会を喜ぶサキ。
そして、桜の木の下でサキだけの卒業式が開かれ、沼先生の手で卒業証書が授与されました。
祝福の声が響き渡り、サキは集まった人々に新しい戦いへ向かうことを告げます。
「あとは頼んだぜ!」と、愛用のヨーヨーが群衆に投げ渡され、サキは笑顔で校門を出て行くのでした。
その直後、入れ替わりにムウ=ミサが鷹ノ羽高校を訪れます。
彼はサキが卒業証書を受け取りに来たと聞くと、突然表情を強張らせ、サキが今日この場所に来られるわけがないと言いました。
なぜなら、梁山泊を壊滅させたその日、サキは彼の腕の中で息き引き取っていたからです。
その言葉に動揺する人々。
そして、サキのヨーヨーを受け取った者がいないことに気付くのです。
人々は振り返ります。
母や社会に裏切られ心に傷を負ったサキ。
それゆえに仲間を愛し、仲間がいる学校を愛し、魂となっても卒業証書を受け取るという約束を果たしに来たのだ、と。
卒業式といえば、学生マンガの最終回の定番ですが、これほどまでに哀しい最終回があったでしょうか。
愛する神と一緒に逝けたことだけがわずかな救いとなりました。
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