江口寿史氏による漫画「ストップ!! ひばりくん!」。

遺言により、高校生の坂本耕作は母親の知人・大空いばりの家に身を寄せます。
しかし、そこは関東大空組という極道の家でした。

逃げようと考える耕作は、いばりの子供はみんな美人だとわかり、思いとどまります。
中でも最初に出会ったひばりに一目惚れをしてしますのです。

29年の刻を経て完結した物語。
衝撃的なラストには、こんなエピソードが隠されていました。

大空家にやって来た大河激二郎は、詰め襟の学生服を着込み、本宮ひろ志氏の漫画を愛する硬派な少年。
耕作を軟派学生やラブコメ野郎などと呼び、ひばりといちゃつく姿に涙します。

彼はいばりの極道義兄弟の一人・大河安二郎の一人息子で、病気で倒れた安二郎に頼まれ、いばりが預かることになりました。
そして学校も耕作たちが通う極道義兄弟の一人、ジョー明石が理事長を務める若葉学園に決まり、編入手続きもスムーズに進みます。
このやり取りに耕作は、ひばりが女の子として入学できた理由を垣間見たような気がしたのでした。

そんな激二郎は大空家が男臭い極道の家だと思っていたらしく、女臭いアットホームな雰囲気に面食います。
さらに姉妹の中で一番美人なのに、女臭さがないと、ひばりの正体が男だと見抜いてしまうのでした。

一方のひばりもまた、激二郎に特別な臭いを感じたらしく、彼を「激ちゃん」と呼び、なぜか耕作に、男同士、激二郎と一緒に風呂へ入ることを勧めます。

「ちゃん」付けで呼ばれることを嫌がる激二郎だけでなく、耕作も気色が悪いと、ひばりの提案を拒絶したものの、耕作は偶然激二郎が服を脱いでる現場を目撃。

サラシで巻かれた上半身には、あの女の子特有の2つの膨らみが。
そう、激二郎は激という女の子だったのです。

しかし激二郎は、男性ホルモンを打ち、体は女でも心は男だと豪語します。
こうして耕作は、男の娘なひばりとオレっ娘な激二郎と、一つ屋根の下で奇妙な三角関係を続けていくことになるのでした。