大ヒット作「鉄腕アトム」は、連載期間が長かったため、いくつかのスピンオフ作品が存在しています。
そのいくつかは手塚治虫氏が自由に描いており、本家「鉄腕アトム」のイメージを大きく裏切るような作品も少なくありません。
中でも有名なのが、「アトム二世」を描いたという作品です。
この作品は「鉄腕アトム」の意外すぎる後日談を描いた1975年のエピソードです。
本作は、アニメ版の最終回でアトムが太陽に飛び込んで死んだ後の世界を描いたものでした。
日本政府が後継機の製作をお茶の水博士に頼み込むところからストーリーは始まります。
依頼を引き受けた博士は、さらに完成度の高い「アトムの息子」を作ることを決意…
「人間らしさ」の回路をつけ加えた完璧なロボットを作り上げたのです。
ところが、この努力は、完全に裏目に出てしまいます。
人間らしさを追求し過ぎたため、完成したアトム二世は、どうにもならないダメロボットだったのです。
朝から晩までテレビを見続け、たまに外に出れば女を引っかけてラブホテルへ…
デモや暴動にも手を出さず、自殺者も見殺しにするありさまでした。
しまいには、政府が開発した核兵器を盗んで大量のロボットを製造…
これを各国に売り渡して荒かせぎを始めたため、最後はボロボロの姿で背任横領罪で捕まってしまうのです。
無精ひげで手錠をかけられたアトムの姿には、正義の味方だったころの面影はありません。
案の定、ファンからも総スカンをくった迷作でした。
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