本作の最終話を収録した「週刊少年ジャンプ」は、売り切れの状態となるほどの人気作品です。
しかし、本作の連載初期は、まさになんでもあり状態のタブーネタが満載で、コミックス収録削除の回も出たほどなのです。
2016年9月17日に発売された「週刊少年ジャンプ」42号で最終回を迎えた「こちら葛飾区亀有公園前派出所」ですが、同誌に復刻掲載された第1話を見ればわかるように、初期の作風は、現在なら「漫画ゴラク」や「漫画TIMES」に掲載されていそうな内容でした。
初期の、主人公・両津勘吉は粗暴な不良警官として描かれており、行き先を訪ねに来た中年男性を「ふん、新潟で米でもつくってろ!」と罵倒し、前任の警官が退任した理由が「ロシアンルーレットで遊んでいて即死した」と答えていました(現行のコミックス版では両表記とも削除されています)。
現在、コミックス未収録となっているストーリーが「派出所自慢の巻」(1977年4月18日号)です。
両津と部下の中川が欠員補助のため水元公園派出所に向かったところ、そこの班長が時代錯誤の軍国主義思想の持ち主で、旧日本軍の軍服を着用しており、派出所内には「三八式歩兵銃」や「100式機関短銃」が所せましと陳列してあります。
派出所が留守になった後、寒さに耐えきれなくなった両津と中川が所内の木製小銃をたき火にくべてしまうのですが、その際「天皇陛下パンサーイ!」と叫ぶなど、作品中期以降、常識人と化した中川からは考えられないような場面が描かれているのです。
「派出所自慢の巻」は、1990年代以降自主規制され、この回が収録されていたコミックス第4巻の現行版は1988年に描かれた「野球狂の男の巻」が代替収録されていますが、絵柄が4巻当時のものとはまったく異なるため、事情を知らない読者は違和感を覚えました。
なお、作品初期〜中期にかけての「こち亀」には、規制が今よりもユルい時代だったため「女はあさはかなもの」、「現代のパープリンギャル」など女性蔑視的な発言や、ホームレスの「フータロー」というキャラが準レギュラーをつとめたり、「3億円事件の犯人さん時効まで後9日頑張れ!」というポスターが派出所内に貼られていたり、麗子が両津に「エイズになっても死ななそうね」(現行コミックスではセリフを変更)と発言するなど、現在では掲載不可能なブラックな表現が多く描かれていました。
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私は1990年代以前のコミックス第4巻持ってます♪
「なんで○鑑定団」に出したら高値が付くかも!? ←それは無理 (爆)