あだち充氏の野球漫画「タッチ」。
あらすじは多く人が知っているかと思います。
双子の兄弟、上杉達也と和也。
何事にもやる気がない達也に対して、和也は幼馴染の浅倉南の「甲子園に連れて行って」という願いのため、一年生ながら明青学園のエースとして甲子園出場に王手をかけていました。
けれども地方予選決勝の日、和也は事故で亡くなってしまいます。
残された達也は和也の夢を継ぎ、野球部に入部し、代理監督の柏葉に反発しながらもライバルと闘い、甲子園を目指すのでした。
全26巻で最終回は「その後、おかわりは」。
果たして、どのようなクライマックスを迎えるのでしょうか。
あの暑い夏の日も過去のもの。
季節は早くも秋になっていました。
昼前、庭掃除をする浅倉南が落ち葉を燃やしていると、煙に気づいて上杉達也がようやく起きてきます。
達也は煙に文句を言いながら、昨夜は午前3時まで勉強をしていたと威張りますが、南はそれより遅くまで勉強していたと言い返しました。
二人はもう受験生なのです。
南においていかれてはならないようにと危機感を抱いた達也は、あわてて着替えると、パンをくわえたまま図書館に走り出します。
しかも、南に差を広げられないよう「おまえは夜まで勉強禁止!」と言い残すのを忘れませんでした。
図書館への道で、達也の前には新田由加や松平孝太郎、佐々木、原田正平、新田明男が次々と現れます。
世界を放浪するという原田や、プロ野球に行かないと言う新田。
彼らもそれぞれの進路に向けて動き出していました。
ヤケに色んな奴に会う日だと言う孝太郎を達也は偶然だと片付けます。
けれども、なぜか西村勇まで現れ、いつものように自転車で転倒するのでした。
その頃、庭掃除を終えた南は、南風の店内で父親に文句を言っていました。
南は店に貼ってある何かを剥がしたいのだが、父親は「ダメ」と言い続けます。
それは、南がインターハイで優勝した時の写真でした。
上杉家では、母親が達也の部屋の掃除を済ませて出て行きます。
部屋の中には、和也の写真と共に、明青学園の甲子園優勝を記念するプレートが飾られていました。
淡々と日常を描いているようで、キャラクターたちの未来を予感させる…
あだち作品らしい静かで余韻のある幕引きでした。
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