子供の頃に読んだ漫画「あしたのジョー」に憧れ、プロボクサーになったカンパチ(本名:桃井環八)。
けれども、25歳になってもパッとせず、網膜剥離を起こしたことで引退を余儀なくされました。
そんなボクシング一筋に生きてきたカンパチでしたが、幼なじみの兄貴分・青梅広道に誘われ、彼が勤める支配社の人気コミック誌「週刊ヤングシャウト」編集部で新人バイトとして働くことになるというのがあらすじです。
全16巻の最終回「さよならの朝」は、どのような展開を迎えたのでしょうか。
「週刊ヤングシャウト」編集長・疎井一郎。
徹底した効率&データ主義で、同誌を売り上げNo.1青年漫画誌に躍進させた立役者です。
しかし彼もまた、若かりし頃は周囲に反対されながらも「名より実を取る」ような漫画の新たな可能性を模索する情熱的な編集者でした。
そして今回もまた、漫画家・マンボ好塚が描き上げた来月掲載予定の「王女アンナ」の読者を裏切るような展開にご満悦。
編集長の怒りを買うのは必然で、描いた本人も心配するほどだったのです。
そんな二人の下を訪れるべレー帽をかぶった「マンガの神様」と称えられる巨匠漫画家。
彼は「ブロックジィック」の完結打ち上げパーティーを抜け出して、マンボ好塚に会いに来たのでした。
そして「王女アンナ」を一読するなり、ベートーベンの名曲「第九」を引き合いに、作品に込められた作家の思い=たましいによる競合を求めるのでした。
マンボ好塚がマンガの神様にライバルと認められた瞬間でした。
この歴史的瞬間に立ち会っていた疎井は、当時のことを振り返りながら、青梅をカンパチたちと共に空港で見送っていました。
青梅は金に物を言わせて講学館を買収し、「ヤングシャウト」にケンカをふっかけてきた陳子昂に感化され、海外の出版状況の荒波で自分を試してみたいと、海外支社への赴任を決断するのです。
一方のカンパチもまた、学歴社会の支配社にあって正社員への道が開かれるなど、それぞれ新たな戦いのリングへ向かいました。
そう、子供の頃に感動した漫画を作るために。
Sponsored Links
この記事へのコメントはありません。