自伝的な作品で、作中のエピソードの多くも中沢氏が実際に体験したことが描かれています。
1973年25号の「週刊少年ジャンプ」から連載が始まり、中沢氏は自分の思いを完全に伝えるため、妻を除いて専属のアシスタントを一切使わずに描き上げたそうです。
2010年6月調査のgooランキング「読んでおきたい日本史モノマンガランキング」の第1位にも選ばれている本作品。
最終回はどのような終わりを遂げたのでしょうか。
中学を卒業したゲンは、看板屋のアルバイトをしながら絵を学ぶ日々を送っていました。
しかし、社長である中尾のすぎた戦争賛美を非難したゲンはクビを言い渡されてしまいます。
そんな、ある日、ゲンは街角でひとりの少女に一目惚れをします。
しかし、彼女の父親が中尾であることを知り落胆するゲン。
その想いをスケッチブックにぶつけるゲンを見かねた隆太は、その少女・光子にスケッチブックを手渡し、光子へのゲンの想いを熱弁するのです。
やりすぎだと隆太をしかるゲンの前に現れた光子は、顔を真っ赤にしながらこれからも自分を描いて欲しいと告白します。
その言葉に舞い上がるゲンは、たびたび彼女を連れて、その姿をスケッチブックに描き写すのでした。
しかし、その幸せな時間は長くは続きませんでした。
光子が原爆症を発症し、瞬く間に亡くなってしまったのです。
悲しみに暮れるゲンだったが、前向きに生きることを改めて光子に誓うのでした。
そのころ、ムスビは栄養剤と騙されて麻薬中毒に陥っていました。
洋服店を出すために貯めた金にも手を出したムスビは、後悔のなか逝ってしまいます。
ヤクザの親分や手下を殺してムスビの敵を討った隆太は、ゲンの勧めで勝子とともに東京へ逃避行を決め、ゲンと別れるのでした。
一方、ムスビの葬儀を終えたゲンは、絵の師匠である天野に東京へ出て未来をつかめと激励され、ひとり上京を決意するのです。
敗戦よりも恐ろしい、原爆の恐怖と向き合いたくましく生きるゲンと仲間達。
そんな熱い情熱と未来が見える最終回となりました。
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