当時の東映社長が、「実際に殺人シーンが収録されている」ということで話題なった洋画「スナッフ」の評判を聞きつけ、牧口雄二監督に「あらゆる拷問をくり広げる残酷ショーを」と指示して制作されたといわれています。
牧口監督の成人映画時代の作品であり、悪趣味なまでの猟奇エログロを全面に出しつつも、ただのグロ映画に終わらせなかったところに今でも支持者が多く、一部ではカルトになるほどの人気があります。
前半は奉行がイモリを生で噛みちぎりながら、異教徒を火あぶり、釜茹で、蒸し焼き、蛇責めと、バラエティに富んだ拷問を加え弾圧するストーリー。
サブタイトルにもなっている「牛裂きは、女の両足を綱で縛って、2頭の猛牛に引かせ体を裂く拷問。内村レナ演じる少女・登世がキリシタンであることを奉行に知られ、牛裂き」の刑に処されるというのが前半部のクライマックスです。
2つに裂かれた美女の体から内臓が溢れ出し、見ていた奉行が「やった!裂けた!」と叫ぶシーンはある意味すさまじい出来栄えとなっています。
後半は物語が変わり、川谷拓三演じる捨蔵が、女郎小屋で悪質なイジメを受け、脱走をするも捕まりさらなる拷問を受けるという地獄絵巻。
ここでのメインの拷問は首から下を土に埋め、首の前にノコギリを置き、通行人が誰でもノコギリ引きをしていいという刑。
これは本来、刑を受ける者を殺すというよりも苦しめるための拷問で、実際にノコギリを引く者などいない形式的なものでした。
しかし、映画ではそうはいきません。
発狂した男が現れ、捨蔵は竹のノコギリでゆっくりと首を切られながら死んでいくというまったく救いのないラストになっているのです。
ただのグロ表現だけでは収まらない内容が海外で高く評価され、ヨーロッパやアメリカなどでは早くから「Shogun’s Sadism」というタイトルでビデオ化されていました。
しかし、日本でのソフト化は完全に封印されており、たまに名画座などで上映されるのを観にいくしかありませんでした。
しかしネット時代になり、徐々に作品の評判が高まったおかげか、2012年についに東映から正規版DVDが発売されたのです。
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